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石川淳研究会 第11回研究会 開催のお知らせ

                          石川淳研究会 運営委員会

 

以下の通り、研究会を開催します。今回は、石川淳とかかわりが深く、今年生誕100年を迎えた太宰治の「道化の華」についての研究発表と、論文合評会をおこないます。来聴は自由ですので、ふるってご参加下さい。

 

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 2008年3月28日(土) 14:00〜

  青山学院大学・青山キャンパス 総研ビル(14号館)10階・17会議室

・キャンパスマップ

http://www.aoyama.ac.jp/other/map/aoyama.html

(「総研ビル」は、青山通り沿いの「正門」を入ってすぐ右側の建物です)

  ・交通アクセス

     http://www.aoyama.ac.jp/other/access/aoyama.html

 

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1)研究発表

太宰治「道化の華」における二つの語りのモード再考    宮ア三世

 

2)論文合評会

   取り上げる予定の論文

   ・若松伸哉  漂泊する〈わたし〉―石川淳「葦手」のなかの歌謡・家族―

                    (「昭和文学研究」第56集、2008年3月)

   ・帆苅基生  【研究ノート】石川淳年譜考

            (「緑岡詞林」第32号、2008年3月)

   ・立石伯  躍動する「風狂」のアラベスク―石川淳における青春と老年のかたち

(尾形明子・長谷川啓編『老いの愉楽―「老人文学」の魅力』

〈東京堂出版、2008年9月〉所収)

   ・杉浦晋   石川淳、「キャラクター」小説、そして中上健次

(「昭和文学研究」第58集、2009年3月)       ほか

 

3)総会

   議題は、次回研究会の企画など。

 

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*研究会終了後、懇親会をおこないます。(会場は当日お知らせします。)
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研究発表・要旨

太宰治「道化の華」における二つの語りのモード再考      宮ア三世

 
 「書くこと」はそれ自体が現代文学の大きなテーマであるとともに、言語学、哲学、思想、文学理論等の考察の対象にもなってきた。小説を書きつつある書き手の登場する「道化の華」(昭和十年五月)もまた、従来の小説の話法を解体し、新しい小説の場を開こうとした作品であるとか、メタフィクションとしてフィクション一般を相対化する等といった評価がなされている。しかし、「道化の華」が一つの小説として、どのような言語世界を構築しているのかという点については十分に明らかにされていないように思う。本発表では、冒頭から結末に到る線条的な時間の中で「道化の華」をもう一度読み直すことで、語りと語られた内容との関連性を再考し、「道化の華」がそもそもどのような作品であるかを明らかにしたい。
 その際、次のようなアプローチが有効ではないかと考える。すでに「太宰治「道化の華」論」(『國語國文』、二〇〇七年十二月)で論じたことであるが、「道化の華」の語りは、大庭葉蔵の物語と、それに物語の書き手である「僕」がわり込む箇所という、大きくは二つのモードによって形成される。つまり、本作品では、書き手の介入の程度という点からみて、全く異なる二つの書き方が認められるということである。一方は、いわば十九世紀のリアリズムの作りだした、書き手の存在を感じさせない書き方であり、葉蔵の物語の大半を構成している。他方は、一人称性を強く出し、葉蔵の物語に書き手として「僕」がわり込むモードである。本発表では、これら二つのモードについて更に考察を深めるとともに、とりわけ、「道化の華」ではどちらのモードともいえないような箇所が認められることに焦点を合わせ、それが何を意味するのか、そして、書き手が小説に登場するということがどのようなことであるのかを考えたい。

(みやざき みつよ  京都大学人間・環境学研究科 院生

 

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