〈石川淳研究会〉第7回研究会開催のお知らせ
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2007年3月10日(土) 13:00〜
青山学院大学・青山キャンパス 総研ビル(14号館)10階・17会議室
「総研ビル」は、青山通沿いの「正門」入ってすぐ右側の建物 →交通アクセス
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1)《研究発表》
「葦手」論―歌謡の問題を起点として 若松伸哉
「鸚鵡石」論―典拠「武辺雑談」との距離 山口俊雄
2)《講演》
石川淳小伝―こぼれ話 渡辺喜一郎
3)《論文合評会》
取り上げる予定の論文
・重松恵美「石川淳とタカクラ・テル―新しい日本語をめぐって」
(『梅花日文論叢』14号、2006年3月)
・山口俊雄「石川淳『白頭吟』論―左翼運動・1921年と1956年と」
(『愛知県立大学文学部論集
国文学科編』54号、2006年3月)
ほか
4)《総会》
議題は、次回8回研究会のこと、など。
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*研究集会終了後、懇親会を開催いたします。(会場は当日お知らせします。)
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【研究発表・要旨】
「葦手」論―歌謡の問題を起点として
今回の発表は、石川淳の作家デビュー後三作目にあたる小説「葦手」(『作品』1935年10月〜12月)を分析の対象とする。
「葦手」においてとりわけ特徴的なのは、作品随所にあらわれているその歌謡性だろう。それは延津賀や卯太夫(仙吉)といった清元節の芸人が主要な登場人物となっているだけではなく、作品の後半部分において、文筆を生業とする主人公が一行も書くことができず、代わりに民謡「佐渡おけさ」の一節がその口から無意識に漏れ出す場面によっても特に印象付けられる。この場面は「葦手」の重要な場面となっており、歌謡の問題は作品を読み解く一つのヒントを与えてくれそうである。
本発表では、歌謡をはじめとした「葦手」をとりまく同時代状況を視野に入れながら具体的な作品分析を行う。また、作品中で「漂泊の詩人」と渾名される主人公の放浪性―石川淳の初期作品に共通の設定としてよく指摘されるが―の意味もそうした同時代状況との関連から考察することも目標としたい。(若松伸哉・青山学院大学大学院博士課程)
「鸚鵡石」論―典拠「武辺雑談」との距離
石川淳「鸚鵡石」(『新潮』1966年1月;『天馬賦』に収録)は、江戸時代はじめに時代設定を置き、豊臣秀頼の子・国松の助命運動をめぐって物語られる奇譚であるが、作品末尾の引用の典拠として示されている「武辺雑談」なる書物と突き合わせてみると、実は作品全体のかなりの部分がその書に依拠していることが分かる。
本発表では、明らかに典拠に拠った部分と石川が創ったとおぼしい部分とを腑分けすることを通じて、武辺咄が奇譚へと変貌させられる手際を確認してみたい。(山口俊雄・愛知県立大学)
【講演・紹介】石川淳小伝―こぼれ話
長年、石川淳の伝記的事実について精力的に調査を行ない、『石川淳研究』(明治書院、1987年)・『石川淳伝』(明治書院、1992年)等にその成果を発表してきた渡辺喜一郎氏(北陸高校教諭)が、新たに分かったことを盛り込んで「石川淳年譜補遺」を『青磁』23号(2006年10月)に発表した。本講演では、この「石川淳年譜補遺」作成にちなんで、石川淳について、新たに見えてきたこと、今後の解明が期待されることなどについてお話し頂く。
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